富士フィルム、細胞培養関連技術開発のジャパン・バイオメディカルに出資 再生医療事業拡大へ – M&Aタイムス



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富士フイルムは、細胞培養用の培地添加剤を開発・製造・販売するジャパン・バイオメディカル(以下、JBM社)に、同社の第三者割当増資を引き受け、3700万円を出資、同社全株式の19.8%を保有すると発表した。

今回の出資目的は、高い細胞増殖性を実現するJBM社の培地添加剤「NeoSERA®」の国内独占販売権の取得と、各種細胞の培養に適した培地に「NeoSERA®」を組み合わせた新たな高機能培地の開発。今後、富士フイルムは、培地のラインアップ拡充を通じて、再生医療事業のさらなる拡大を図る。

細胞培養では、細胞が増殖するための栄養として培地が必要であり、また、より効率的な細胞培養には、培地に加えて細胞増殖を促す培地添加剤が重要で、培地添加剤には血清を用いるのが一般的である。現在、血清は、細胞増殖に必要な因子を多く含むウシ胎児の血液由来のものが広く使用されているが、一頭から採取できる血液の量が限られているため、均質な血清を大量に生産することが困難であるという課題があった。このような中、JBM社は、成牛から細胞増殖に必要な因子を多く含む血液を採取する技術を確立。本技術を用いて血清を大量生産し、培地添加剤「NeoSERA®」として上市している。

「NeoSERA®」は、ウシ由来の血清でありながら、医薬品医療機器総合機構(PMDA)より再生医療製品の材料適格性(*1)の確認書を初めて取得した製品。間葉系幹細胞(*2)などの培養で優れた細胞増殖性を実現しており、今後、需要が拡大する臨床用途としても最適である。

富士フイルムは、日本で初めて再生医療製品を開発・上市したジャパン・ティッシュ・エンジニアリング(以下、J-TEC)、iPS細胞の開発・製造のリーディングカンパニーである米国Cellular Dynamics International, Inc.(セルラー・ダイナミクス・インターナショナル、以下、CDI)に加え、本年4月には培地などの試薬、臨床検査薬、化成品を製造・販売する和光純薬工業をグループ会社化した。現在、再生医療に必要な主要要素である「細胞」「足場材」「培地」のすべてを自社グループで保有し、再生医療事業を推進している。

今回のJBM社への出資に先駆けて、本年7月に和光純薬がJBM社と「NeoSERA®」の国内独占販売契約を締結。すでに「NeoSERA®」の販売活動をスタートさせている。また富士フイルムは本出資を通じて、今後、各種細胞培養に適した培地に「NeoSERA®」を組み合わせた新たな高機能培地を開発。J-TECやCDI、和光純薬といったグループ会社の技術を活用して、早期上市を目指す。

富士フイルムは、長年の写真フィルムの研究で培ってきた高機能素材技術やエンジニアリング技術と、J-TECの治療用細胞の生産技術、CDIの世界トップのiPS細胞関連技術・ノウハウ、和光純薬の培地技術を融合し、自社再生医療製品の研究開発を加速させるとともに、再生医療製品の開発・製造受託や培地の事業拡大を図ることで、再生医療の産業化に貢献していく。

*1 ウイルスなど病原性微生物排除の観点から、再生医療製品の製造に使用されるヒト・動物由来成分を含む材料(例えば、培地のように最終製品の構成成分とならないもの)の適格性、安全性をPMDAが確認する。
*2 間葉系幹細胞とは、生体内に存在し、一定の分化能/増殖能を持つ幹細胞。脳梗塞のほか、軟骨損傷、虚血性心不全、下肢虚血など、さまざまな疾患の治療に1,000例を超える臨床研究が行われている。

<JBM社の概要>
社名    株式会社ジャパン・バイオメディカル
代表取締役 須藤 稔太
所在地   北海道河東郡音更町字万年西一線27-2
設立    2017年1月10日
資本金   200万円
事業内容  細胞培養用の培地添加剤に関する技術開発、研究受託、製造、販売、輸出入、コンサルタント業務



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