「ドローン産業『全部取る』」(徳重テラドローン社長) – ニュースイッチ Newswitch



 テラドローン(東京都渋谷区、徳重徹社長)は、航空機の形をした固定翼型の飛行ロボット(ドローン)の開発を開始した。4月の実用化を目指す。同社従来品の回転翼が複数あるマルチコプター型と比べて長時間飛行でき、重量物を運べる。レーザー測量装置を搭載して森林域や災害現場などの撮影や測量に活用する。 開発する固定翼型ドローンは飛行時間が約2時間。マルチコプター型は10分から20分程度で、より長い時間を飛行できる。高度も上空200メートルを飛行可能。

 また、同社マルチコプターの5倍となる10キログラムの重量物を積んで飛行でき、高精度かつ広範囲のレーザー測量ができるようになる。

 固定翼ドローンにはオーストリアのリーグル製と米ベロダイン製のレーザーを搭載する予定。レーザーの種類が増えることで、比較的安価にレーザー測量を実施したいユーザーと、より高精度、広範囲に測量を実施したいユーザーのニーズ双方に対応することが可能となる。

 固定翼ドローンは、従来の写真測量では難しかった森林域の地表データ取得や、人の立ち入りが困難な急斜面、災害現場の測量が行える。太陽光発電設置のニーズが多い森林測量や、災害現場測量で大幅なコストカットが期待できるという。

日刊工業新聞2017年1月13日

運行管理サービスでデファクト狙う

 テラドローン(東京都渋谷区、徳重徹社長)は、2016年3月に始動した飛行ロボット(ドローン)ベンチャー企業。立ち上げから9カ月ながら大成建設、大林組、コマツなど大手企業のドローン測量業務を請け負う実績を上げた。運行管理システムへの参入など産業用ドローンに関わる事業を拡大する徳重社長に、同社の勢いの秘密を聞いた。

 ―順調に事業を拡大しています。

 「配送や撮影データ処理といったサービス、運行管理、用途別の管理といったドローン産業を全部取る、という気概で取り組んでいる。国内の多くのドローンベンチャーは、国内の狭い分野を標的にしているところが多い。それでは中国のDJIや仏パロットのような巨大なドローンメーカーに体力で負けてしまう。ドローンは世界に市場があり、応用分野も広い。当社は電動バイクをアジアに展開しているノウハウがあり、ドローン事業も海外を重視している」

 ―ドローンの機体よりサービスを重視しているとか。

 「ハードもユーザーに合わせ設計開発する。だがハードは陳腐化や在庫のリスクもあるし、いずれもうからなくなる。パソコンやインターネット業界の変遷を見ると、結局はサービスに行き着く。ドローン業界も同様だ。当社は米インテルや同マイクロソフト、同グーグルなどの企業の趨勢(すうせい)を学び、DJIなど大手の動向を加味して戦略を練っている。できることを着実に、それでもスピード感を持って事業を広げる」

 ―来年の開始を目指す運行管理サービス(UTM)に勝算は。

 「今の国内法制度では目視外でドローンを飛ばせない。だが、配送や点検業務では複数のドローンを自動航行させ、管理する運行管理システムがドローンを使うサービスには将来的に欠かせなくなる。通信事業者や地図業者、保険業者などと幅広く連携しつつ、UTMでデファクトスタンダードを目指す。幸い欧米でもUTMサービスを実用段階にしているのは3社ほど。早く立ち上げた分、当社に利点がある」

 ―2017年2月期に売上高10億円が目標です。達成できますか。

 「これまで事業計画通りだ。優秀な人材も集まって力を発揮できている。産業用ドローンはDJIやパロットも含めてまだ突出したところがない。国内は優秀なドローンメーカーばかりで苦労するかと思ったが、職人気質の企業が多く我々が食い込む余地があった。国内メーカーは海外展開もあまり考えていない様子だし、すぐサービスを始めるというスピード感が足りないように思える。これはもったいない。機体などの技術を生かしつつ、みなで世界の中で戦うのが理想だ」

【記者の目・事業展開はスピード勝負】

 ドローンビジネスは世界的競争下にある。ホビー向けの民生用ドローンはすでにDJI、パロットが世界で抜け出た存在になった。日本企業は優れた技術があったのに事業展開のスピードで負けた格好だ。産業用で同じ轍(てつ)を踏むことは許されない。規制でドローン利用に制限がある日本でできないなら海外でやる、というテラドローンの姿勢は見習うべきだろう。

(聞き手=石橋弘彰)

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p class=”provision”>日刊工業新聞2016年11月25日




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