コニカミノルタ、事務機頼み脱却 米創薬支援ベンチャー買収 – 日本経済新聞



 コニカミノルタは25日、320億円を投じて米創薬支援ベンチャー(VB)を買収すると発表した。コニカミノルタが強みを持つたんぱく質の解析技術と組み合わせ、製薬会社の新薬開発コストを減らすことを目指す。主力の事務機事業の先行きに不透明感が漂う中、ヘルスケア事業に将来の成長を託す。

 11月に、創薬支援の米VB、インヴィクロ社(マサチューセッツ州)を買収する。同社は2008年の設立。18年度の売上高は1億600万ドル、営業利益は1700万ドルを見込む。買収を通じて創薬支援事業に本格参入する。同社にとって過去2番目の規模のM&A(合併・買収)だ。

 インヴィクロ社は数値解析技術のほか、病気やその進行度を判断する「バイオマーカー」の探索技術に強みを持ち、製薬会社の新薬開発を支援する。日本の製薬会社を含めて140社にサービスを提供している。

 コニカミノルタはたんぱく質を解析してがんを診断する「HSTT」と呼ぶ独自技術を持つ。インヴィクロ社の技術で適切なバイオマーカーを選んだうえで、HSTTを使って薬の効果などをきめ細かく把握できるようになるという。

 コニカミノルタによると、製薬会社の研究開発コストは20年に17兆円を超えると予測する。今回の買収によって、製薬会社の新薬開発のコストや期間を短縮する効果を見込む。

 主力の事務機事業を取り巻く状況が厳しさを増す中、コニカミノルタはヘルスケア事業に経営資源を振り向けている。7月には、遺伝子によるがん診断を手がける米アンブリー・ジェネティクス(カリフォルニア州)を買収すると発表したばかり。産業革新機構と共同で最大1100億円を投じる。コニカミノルタは6割を負担。同社にとって過去最大のM&A案件だ。

 山名昌衛社長は「(患者ごとに適切な治療法を選択する)プレシジョン・メディシン(個別化医療)でリーディングカンパニーを目指す」と語った。その両輪が、乳がんや大腸がんなどの遺伝子検査に強いアンブリー社と、人工知能(AI)などの先端技術を持つインヴィクロ社といえる。

 事務機やデジタルカメラ事業などの縮小を受けて、精密機器各社はヘルスケア事業に大きくかじを切っている。富士フイルムホールディングスは4月に試薬大手の和光純薬工業を約1550億円で、キヤノンも16年に東芝メディカルシステムズを約6655億円で買収した。

 資金力に劣るコニカミノルタは研究開発に莫大なコストがかかる創薬には踏み込まず、診断や創薬支援で勝負する道を選んだ。




こんな記事もよく読まれています



コメントを残す