精密7社、今年度5社が営業増益、デジカメ底入れ :日本経済新聞 – 日本経済新聞



 精密大手7社の2017年7~9月期連結決算が8日、出そろった。17年度は5社の連結営業利益が前期と比べて増える見通しだ。高価格帯のデジタルカメラの需要回復を受け、キヤノンなどデジカメ事業の比重の大きい企業を中心に利益が伸びる。ただ、各社のもう一つの柱である事務機事業は低調が続いており、業績格差が今後広がる可能性がある。

 オリンパスは8日、18年3月期の連結純利益(国際会計基準)が前期比40%増の600億円になりそうだと発表した。従来予想を50億円上回る。想定為替レートを従来より対ドルで1円、対ユーロで11円円安に見直すことが利益を押し上げる。

 同日発表した17年4~9月期の連結決算は、純利益が前年同期比26%増の298億円だった。内視鏡など医療事業は好採算製品の販売比率が減り苦戦したものの、ミラーレスなど映像事業が黒字転換し補った。竹内康雄最高財務責任者(CFO)は「デジカメ市況は想定よりも良く、ミラーレスもプロ向けに伸びている」と語った。

 精密各社で収益改善が目立つのはデジカメ事業の比重の大きい企業だ。ニコンの18年3月期のカメラ事業の営業利益は前期比46%増の250億円の見通し。一眼レフの新製品が米国で好調だ。キヤノンも一眼レフが米中で伸び、17年12月期にカメラ事業で5年ぶりの増収を見込む。両社ともにデジカメ事業が全体をけん引する。コンパクト型と異なり、高価格帯は需要が回復している。

 一方、市場が縮小する事務機事業の比重の大きい企業では収益の明暗が分かれる。セイコーエプソンは18年3月期の連結営業利益が前期比12%増の760億円を見込む。大量印刷が可能な大容量インクタンクを搭載したインクジェットプリンターが新興国向けに好調。北米向けなども伸びる。

 構造改革に取り組むリコーは収益改善が遅れている。18年3月期の連結営業利益は前期比70%減を見込む。人員削減に伴う費用がかさむほか、北米を中心に販売体制を直販から代理店販売に切り替えたことで利益率が低下する。

 上場企業全体は17年度に営業利益が過去最高水準となる見通しだが、精密大手が最高益だったのはリーマン・ショック前の07年ごろに遡る。JPモルガン証券の森山久史氏は「精密各社は売り上げの構成比率を早期に変えられるかが生き残りのカギ」と指摘する。まずは事務機事業の立て直しが不可欠といえそうだ。




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