ゲームAIが進歩すれば個人に合わせたレベルデザインやシナリオが実現する!?【Unite 2017 Tokyo】 – ファミ通App

ゲームAIに関する講演をリポート!

今年もUniteの季節がやってきた! Uniteとは、ゲームエンジンUnityを使用しているデベロッパーのための向けのカンファレンスイベント。毎年世界各地から講演者、聴講者が集まり賑わうイベントだ。

ここでは、その中で行われた講演“ゲームAI・ゲームデザインから考えるゲームの過去・現在・未来”のリポートを行っていこう。

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講演を行ってくれたのは、スクウェア・エニックスの三宅陽一郎氏と、ユニティ・テクノロジーズ・ジャパン合同会社の大野功二氏。

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▲ユニティ・テクノロジーズ・ジャパン合同会社 QAマネージャー大野 功二氏(写真左)、スクウェア・エニックス テクノロジー推進部リードAIリサーチャー 三宅陽一郎氏(写真右)

AIの技術進歩によりゲームデザインが変わる

まず気になるのが、AIとゲームデザインに何の関係がるのかという点。ゲームデザインとは、おもにシステムやルールなどゲームメカニクスな部分などを設計する作業工程だ。

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この工程を進めるのに、AIの知識など必要ないと思うかもしれないが、AIの知識があるかどうかによって、デザインされるものが変わってくるのだという。

三宅氏によると「現在のゲームに使われているAIの多くは、与えられたデータに従って動くのではなく、自分で考えて動くように作られています」とのこと。

一昔前までのNPCやモブは、特定のスクリプトによって動く、ルーチン作業をする存在だったが、現在はその域を遙かに超えて、バーチャルな世界を読み解き、自分で考えて動くようになっているという。

この話の具体例として出されたのは、MMORPG『ファイナルファンタジーXIV』の敵キャラクター。広大なフィールド上を動き回るたくさんの敵キャラクターたちだが、彼らはすべて、地形や障害物、プレイヤーキャラクターを認識してフィールドを動いているという。

戦闘中の敵がガケから落下してしまっても、そこからどのようなルートを通れば、もといた場所、プレイヤーと戦闘できる場所に戻れるかを考えて動くというのだ。

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これはつまり、AIが自身の置かれた環境を正しく認識しているということになるが、実際にはそうではないらしい。現在のAIは、環境認識がまだ苦手らしく、制作者が「このエリアは歩けますよ」という、環境をデータにしたものを渡すことによって、これらの動きが作り出されているというわけだ。

もし、ゲームデザイナーがこういった知識を持っていなかった場合、ゲーム内に登場する敵はすべて特定のスクリプトによって処理されたワンパターンなキャラクターになってしまうだろう。

しかし、これらの知識があれば、高度なAIを搭載した敵と白熱した戦いができるゲームが設計される可能性が出てくる。事実、昨今の敵キャラクターのAIは頭がいいと思わされる瞬間も多い。

三宅氏はこれについて「昔は、ゲームプランナー、ゲームデザイナーと技術者との間に距離があったが、最近はそれも近づいてきた。最近のゲームデザインが変わってきた要因のひとつはここにあると思う」と述べている。

ふたりが見るゲームAIが作る未来とは?

では、それを踏まえたうえ、未来のゲームAIは我々をどこに連れていってくれるのだろう?

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三宅氏が見せてくれた答えはこうだ。

「これまでのゲームは、同じ体験をたくさんの人に伝えるというメディアだったが、AI技術が進化すれば、プレイヤーの情報をSNSなどからプロファイルすることで、その人に合わせたレベルデザインやシナリオの変更ができるようになるかもしれない」。

続けて大野氏は「ゲームというものは娯楽なので、何も役に立たないという意見もあると思うし、それはひとつの答えとしていいと思う。しかし、ゲームはインタラクティブな機能を持ったコンテンツ。ゲームをプレイすることで、明日また頑張ろうと思わせてくれるような体験をさせることも可能です。

AIはゲームデザインと密接に関わっているけれど、技術者とデザイナーとの間に距離があったため進歩が遅くなってしまった。しかし、これからはお互いが歩みよることでより進歩をし、よりよいコンテンツが生まれてくるだろう」と延べ、講演は幕を閉じた。

AIとゲームの関わり、そしてそこからどういった未来が生まれてくるのか? どういった未来が来たら楽しいかを考えてみるのもおもしろいだろう。


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