スマホ事故遺族、多治見・陶都中で講演へ – 中日新聞



亡くなった娘の竹田ひとみさんのパネルを見つめる母直美さん(右)と父吉弘さん=多治見市笠原町で

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 娘を事故で失った母親が、悲しみの連鎖を断ち切ろうと新たな一歩を踏み出す。昨年四月、スマートフォンに気を取られた運転者の車にはねられた多治見市笠原町の派遣社員竹田ひとみさん=当時(20)=の母直美さん(47)が、命の大切さについて考える講演会を企画、十五日、同市陶都中学校で開かれる。
 竹田さんは四月六日午後九時ごろ、土岐市の県道で、ひかれた猫を助けようとしゃがんでいたところをはねられて亡くなった。相手の運転手は、助手席に置いたスマホに気を取られていた。
 「ひとみの死を無駄死にで終わらせたくない」。事故後、直美さんはインターネットで交通事故などの遺族らが悲しみを抱えつつも立ち上がり、被害者の等身大パネルや遺品を展示して命の尊さを訴えるNPO法人「いのちのミュージアム」(東京都)の存在を知った。「口を閉ざさず、自分の苦しさや悲しさを伝えることに意味があるんだ」と感じ、今年六月、近隣の中津川市であった同団体の活動を見学し、事務局の山根和子さん(52)=山口県防府市=の協力を得て、講演会を企画した。
 十五日は、全校生徒や保護者らを前に、竹田さんの等身大パネルと遺品の靴を横に置き、直美さんが講演会のサブタイトルに付けた「ただいまをつなげて」に込めた思いを語る。四歳の娘を飲酒運転の事故で失った山根さんも講演する。竹田さんのパネルはこの日を皮切りに、ほかに事故などで犠牲になった百五十七人のパネルとともに、全国の小中学校や企業を回る。直美さんは「いつか自分も講演者として話せるようになれば、伝えたい」と話す。
 父吉弘さん(45)も後押しする。「ネットを見れば、被害者がいつまでも引きずるなという書き込みが結構ある。それでも俺たちが言い続けないと」。そして強く願っていた。「やっぱり運転中のスマホはダメなんだって思ってくれる人が少しでも出てきてくれれば、起こらなくていい事故は減るから」
 (篠塚辰徳)

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