多言語やスマホ対応次々 訪日客サービス強化 – 毎日新聞

コカ・コーラボトラーズジャパンが新設した訪日外国人向け自販機。携帯端末でコードを読み取ると観光情報などが多言語で見られる=東京都台東区で2017年5月26日午後1時20分、竹地広憲撮影



 大手飲料各社が訪日外国人向けサービスを強化した自動販売機の設置を増やしている。コカ・コーラボトラーズジャパンは26日、スマートフォン(スマホ)などを利用して販売商品の内容や周辺の観光地の情報を多言語で提供する新型自販機を発表。他社に先駆けて関西で4カ国語による音声案内付き自販機を展開するダイドードリンコも今年2月から設置先を東京へ拡充。“おもてなし”自販機で訪日客需要の取り込みを狙う。【竹地広憲】

 コカ・コーラ社は26日、東京・浅草の浅草寺にほど近い商店街に新設した新型自販機を公開した。外観は着物姿の女性の後ろ姿や富士山など日本らしいデザイン。外国人が自販機に張られたコードにスマホなどをかざすと、周辺の観光地の情報を英語や中国語など五つの言語で閲覧できるのが売りだ。販売する飲料の味や成分などの情報は同様にスマホなどを利用して15カ国語で説明する。

 品ぞろえも日本でしか味わえないカロリーゼロの特定保健用食品(トクホ)の「コカ・コーラプラス」や、炭酸飲料「ファンタ」のキウイ味などをアピール、外国人の購買意欲を刺激する工夫をこらした。担当者は「日本限定商品などの売れ行きに期待している」と話し、年内に有名観光地や主要駅などを中心に新型自販機約300台を設置することを目指す。

 訪日外国人需要の取り込みにいち早く動いたのがダイドードリンコ。昨年4月以降、大阪や京都で日本語のほか、英語、中国語、韓国語を「話せる」新型自販機の設置を進める。客がボタンで選んだ言語で「お金を入れてください」などと音声案内してくれるユニークさが好評で、前年に比べて販売本数が数%増えた自販機もあるという。今年2月からは東京にも設置を拡大。2017年度中に音声自販機を約120台増やし、計300台にする予定だ。

 またアサヒ飲料も昨年7月以降、周辺の観光情報を公衆無線LANの「Wi-Fi(ワイファイ)」を使って英語や中国語など17カ国語で提供する自販機の設置を強化している。全国の主要な駅や観光スポットなどに約250台を展開中で、今後も順次拡大する。

 訪日外国人がどれだけ飲料自販機を利用しているかを把握するのは難しいが、飲料各社は「自販機の利便性向上で関心を集め、商機につなげたい」(アサヒグループ)と意気込んでいる。

キーワード・自販機市場

 飲料やたばこ、乗車券などの自動販売機の設置台数(2016年末時点)は全国で約364万台(日本自動販売機工業会調べ)。このうち7割近くが飲料の自販機。販売されている商品はお茶やジュースなど清涼飲料が8割以上を占める。

 自販機による飲料の16年の年間販売額は、前年比4・9%減の約2兆298億円。ピーク時の1999年には販売額が約3兆860億円に上ったが、少子高齢化による需要減少や、コンビニエンスストアが店頭で提供するコーヒーなどとの競合で自販機の販売は縮小傾向が続いている。

 飲料大手各社はカード会社と提携したポイントサービスの提供などで需要の回復を目指している。



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