「熊本のために」再び走れる喜び 全国女子駅伝、吉本選手 – 京都新聞



6年ぶりに全国女子駅伝に復帰した吉本ひかり選手(右から2人目)。熊本のチームメートに囲まれて「みんなかわいい」と笑顔を見せる=13日、京都市左京区・ロームシアター京都
6年ぶりに全国女子駅伝に復帰した吉本ひかり選手(右から2人目)。熊本のチームメートに囲まれて「みんなかわいい」と笑顔を見せる=13日、京都市左京区・ロームシアター京都

 世界選手権で日の丸を背負った佛教大出身の快足ランナーが、一度は諦めた陸上の舞台で復活し、都大路に帰ってきた。全国女子駅伝に熊本チームから6年ぶりに出場する吉本ひかり選手(27)=ダイハツ。母校の後輩の走りを見て再挑戦を決意し、地震で被災した故郷に思いを寄せる。13日に行われた開会式では「また選手として声を掛けてもらえてうれしい。熊本に恩返ししたい」と目を輝かせた。

 熊本県の山間部に位置する美里町出身。熊本信愛女学院高から佛大に進み、全日本大学女子駅伝ではアンカーとして初優勝と翌年の連覇に貢献した。日本代表にも選ばれ、2011年世界選手権は女子1万メートルで日本勢トップの力走を見せた。

 卒業後は実業団のヤマダ電機に入社したが、思うような結果を出せず、足のけがに苦しんだ。国体では最下位の屈辱を味わった。「走ることが嫌になって、試合も怖くなった。(陸上で)お金をもらっているのに中途半端な気持ちが申し訳なくて」。退社して実家にこもった。

 佛大のゼミの恩師に背中を押してもらった。教員免許の取得を勧められ、目標を得た。約1年間、京都で生活。母校のコーチを手伝っていると、同郷の前田彩里選手(現ダイハツ)らが楽しそうに走っていたという。「最初は全然走る気がなかったけど、見ていたら、だんだん走ろっかなと思えた」

 24歳で再び、実業団の門をたたく。ダイハツの練習のスピードに付いていけず、1人でジョギングを重ねた。「監督が、走れない時も見捨てずに大丈夫だよと言ってくれた」。心に生まれた余裕。昨年11月の全日本実業団女子駅伝で1区5位と復活の走りを披露した。

 7度目の全国女子駅伝。全て熊本から出場してきた。「育ててもらった恩がある。少しでもチームに貢献したい」。レース当日は28歳の誕生日。「この年齢まで走っているとは思っていなかった。一番年上なので足を引っ張りたくないのが本音」。開会式前日、美容院でトレードマークの長髪を黒く染め直した。準備は整った。

【 2018年01月14日 08時00分 】

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